1匹見かけたら数十匹いるといわれている黒い虫ことゴキブリ…。日本国内においてこれほど嫌われている昆虫は他に類を見ません。実際、ゴキブリ対策グッズは非常に数多く存在し、誰もが一度は手に取って扱ったことがあるでしょう。
そんなゴキブリですが、ゴキブリの卵はどのような形状をしているのか知らない方も多いのではないでしょうか?
ゴキブリ対策を行う場合は、成虫の駆除だけを行っても、なかなか被害が収まりません。ゴキブリはおよそ1回の産卵で15~40匹もの幼虫を産み、メスが生涯産む回数は30回といわれています。
成虫の対策も必要ですが卵の駆除も徹底して行わなければまさに“イタチごっこ”なのです。
ゴキブリの卵の特徴を知り、徹底的な根絶を目指しましょう。
ゴキブリの卵の特徴
ゴキブリの卵とはどんな見た目をしているのでしょうか?
・大きさ…縦1センチ、横5ミリ程度、およそ小豆のような形状
・色…黒っぽい
ゴキブリの卵は、小豆ほどもあり、思ったよりも大きいと感じた方も多いのではないでしょうか。実は、小豆のように見えている外側の部分は、正確には卵ではなく「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる殻です。卵鞘とは、名前の通り卵の鞘で、この卵鞘の中には15から50個ほどのゴキブリの卵が包まれています。ゴキブリは乾燥に非常に弱く、湿った空間を好みます。卵も例外ではないため、乾燥から守るためにこの卵鞘があるのです。
ゴキブリが卵を抱えてすぐはメスの臀部に付着しており、初期は白やピンクのものですが、時間が経つにつれて大きく、色が黒くなっていきます。またメスのチャバネゴキブリは数週間も卵を抱え続けることがあります。
卵を産み付ける場所は?
卵の産みつける場所は、ゴキブリにとって安全で住み心地の良い場所であることが多いです。
ゴキブリが好む場所は「暗くてジメジメしている」「人が近寄らない」「水・餌が豊富」「暖かい場所」の4つの条件が当てはまる場所です。一般家庭でいえば、キッチンなどにある冷蔵庫の下、シンクの下、棚の裏などが当てはまります。
そのような場所は人間がめったに確認しないうえ、暖を取りやすいので、ゴキブリの営巣箇所としても選ばれやすいのです。営巣する場所はゴキブリにとって安全であることが多いので、卵を産み落とす場所、ふんをする場所として最適なのです。
また人に見つかって驚いた場合や、逃げるときに落とすこともあるようです。
ゴキブリの卵を駆除するには?
卵を見つけた場合、どのように駆除を行えば良いのでしょうか?
実は卵駆除は一般的なゴキブリ駆除方法ではほとんど効果がありません。ゴキブリ用の殺虫剤やくん煙剤などはゴキブリの卵を守る卵鞘によって防いでしまい、内部の卵にまで薬剤が浸透しません。そのため卵の駆除ができないのです。
ゴキブリの卵を見つけた場合、一番素早く即効性のある駆除方法は、「熱湯をかけること」です。ゴキブリは寒さに弱く、暑さには比較的強いです。その特徴を生かしたゴキブリ対策として、冬に窓を開けたままにする方法があります。
ゴキブリは冬の寒さに弱いため効果が期待できますが、営巣箇所は暖を取れる場所が多いので逃げ込まれてしまったり、営巣箇所にある卵に効果がありません。また、開けた窓からゴキブリが飛来する可能性もあるので注意が必要です。
卵も同様ですが、流石に熱湯に対しての耐性はありません。耐熱容器にゴキブリの卵を置き、80℃以上の熱湯を注ぎましょう。しっかり浸した後、袋などで密閉することで駆除完了です。
処理が上手くできていない場合、卵鞘を破って孵化してくる可能性があります。また、ゴキブリのメスにはフェロモンがあり、他のゴキブリを引き寄せる効果があります。卵にも付着している可能性がありますので、袋にいれて処分すると確実です。
また市販駆除剤の中でも一部の駆除用の毒餌は効果があります。食べた個体だけではなく、その毒が卵や死体にまで回る種類があるのです。毒餌を食べたゴキブリの死体を食べたゴキブリにも効果が及ぶタイプだと、巣ごと根絶を狙えるため、即効性は見込めませんが非常に効果的といえます。
ゴキブリの死体を見つけた場合、卵と同様に袋に入れて密閉する必要があります。メスのゴキブリが体内に抱卵していた場合、毒餌の効果が弱くて生き残ると幼虫が孵ることがあります。
ゴキブリの侵入を防ぎ産ませない環境を作ろう
ゴキブリの対策で一番大切なことは「侵入させない家にできるか」が一番大切です。ゴキブリはほんの数ミリもの隙間があれば、幼虫が入ってきてしまいます。侵入を許してしまうと、数か月で成虫となり、抱卵し、個体数を増やしてしまうのです。
ゴキブリの侵入経路は主にキッチンや洗面所、エアコンなどの配管が通っている部分の隙間です。ゴキブリ対策を行うのであれば、隙間を見つけたら市販されている防水パテや、防水テープなどでしっかりと穴を塞ぎましょう。
窓を開けたままにするとベランダから飛来する可能性があります。ゴキブリはお庭などにある植木鉢や土の中に住んでいることが多いです。そのため窓を当てたままにすると侵入を許してしまうことになります。
荷物に紛れてくることも考えられます。特に宅配便などは商品のダンボールに紛れ込んでくる可能性があるので注意しましょう。
侵入対策と同時に、「清掃」を行うことも大切です。掃除を行わないほど、ゴキブリの好む環境を作ってしまい、ゴキブリの繁殖を助長させる原因になります。
ゴキブリを少しでも減らしたいのであれば、掃除を行い、ゴキブリが営巣しやすい衣類やダンボールをそのままにしないようにしましょう。また、餌になってしまうゴミの処理方法を改善するのも良いです。
まとめ
ゴキブリの卵はおよそ小豆型で黒っぽい色をしています。もし見つけたら、素手では触らずに耐熱容器に移し、熱湯をかけて駆除しましょう。
またゴキブリの卵には毒餌も効果があります。ゴキブリの駆除後の死骸、見つけた死骸はそのまま捨てず、必ず袋などで密閉するようにしましょう。
ゴキブリの被害を少しでも減らし、遭遇しない家にするためには、「侵入されない」「清潔な家」を心懸ける必要があります。定期的な対策を行うことによって、気持ちよく過ごせるお家を目指しましょう。