「アシダカ軍曹」という言葉をご存じでしょうか?これは「アシダカグモ」というクモの愛称です。愛称がつけられるほど人気なクモというのは、いったいどんな外見をしていて、どんな性格をしているのでしょうか。
今回は、アシダカグモの外見や習性、そのほか、彼らが私たちにもたらすメリットやデメリットを詳しくご紹介していきます。最後まで記事を読んでいただければ、みなさんのもつアシダカグモのイメージが一転するかもしれません。
「アシダカ軍曹」と畏怖されるアシダカグモ
アシダカグモとはゴキブリを捕食してくれる益虫として、SNS上では「アシダカ軍曹」と呼ばれ、結構人気の声が上がっています。その反面、インパクトのある見た目から、アシダカグモを見かけたら駆除してしまう人も少なくないようです。
日本最大種!アシダカグモのビジュアルとは
アシダカグモは日本に生息するクモの中では大きな部類に入ります。その見た目にはかなりのインパクトがあります。体には独特な模様があり、脚を広げると、その大きさはCDと同じくらいになります。初めてアシダカグモを見たかたは鳥肌がたってしまうかもしれません。
しかし、見た目を除けばアシダカグモは私たちにとってメリットしかもたらさない、最高の益虫なのです。では、アシダカグモがなぜ益虫と呼ばれるかをご紹介していきます。
アシダカグモの生態と食性
アシダカグモは非常に高い捕食能力をもっていて、彼らの捕食対象となるのが、私たちにさまざまな被害をもたらす害虫、「ゴキブリ」です。
アシダカグモは獲物を食べている間でも、次なる獲物が目に入った場合、食事を放棄して、襲いかかるという習性をもっています。食事を中断してまで狩りに専念するその姿は、まさに獰猛(どうもう)なハンターと呼ぶ以外はないでしょう。
アシダカグモが家に3匹いれば、その家のゴキブリはわずか半年ほどで絶滅してしまう、という検査結果もあります。また、アシダカグモは巣を作らないため、獲物がいなくなると、自然に家を去っていきます。
アシダカグモの寿命はオスが3年~5年、メスが5年~7年です。オスよりもメスの方が体が大きいです。その理由は、アシダカグモのメスは子どもを育てている間は絶食をするため、強く大きな体でないと生きていけないからです。
「アシダカ軍曹」と慕う人々が急増中
アシダカグモはゴキブリの駆除能力の高さから、「アシダカ軍曹」とネット上では呼ばれています。見た目は強烈だけど、私たちに害を与えることはなく、意外と臆病な性格から、SNS上ではファンができるほどの人気者です。
アシダカグモとゴキブリの戦闘力を比較
アシダカグモは、大きな体と非常に高い捕食能力があります。しかし、ゴキブリも私たちも知っている通り、なかなかの俊敏性と生命力を誇ります。ここでは、アシダカグモとゴキブリの能力を比較していきましょう。
アシダカグモのパワーと攻撃性
アシダカグモがゴキブリを捕食する際には体に溜めてある、殺菌作用のある消化液を使って、ゴキブリのもつ病原菌を消毒しています。また、アシダカグモはこの消毒液を頻繁に体に塗りつける習性があり、常に体の清潔を保っているといわれています。
非常に獰猛なハンターのイメージがあるアシダカグモですが、自分より大きな動物には絶対に襲いかかりません。少しでも物音をたてると、一目散に逃げだしてしまうこともよくあります。アシダカグモはじつは臆病な性格をしてるのですね。
ゴキブリのパワーと攻撃性
アシダカグモの餌であるゴキブリは、私たちに大変な害を与えます。まずかなり不衛生です。ゴキブリは体内にさまざまな病原菌を保有していて、糞や死骸はアレルギーの原因になるといわれています。駆除しようとしても持ち前のすばしっこさから、逃してしまうことも少なくありません。
ゴキブリは殺虫スプレーを噴射しても、なかなか力尽きることがなく、わずかな餌があれば生活することができます。さらに繁殖力も非常に高いため、駆除しても駆除しても数が一向に減りません。そんな強靭な生命力を誇るゴキブリですが、アシダカグモには歯が立ちません。
アシダカグモの素早さはゴキブリを上回るもので、捕まったゴキブリがどんなに暴れようとも、大きな脚でしっかりとホールドされてしまい、なすすべなく捕食されてしまいます。やはりアシダカグモの方がゴキブリよりも一枚上手のようです。
アシダカグモを人間の味方につけることは可能か?
アシダカグモはうっかり私たちに近づいてくることはあっても、害を与えてくることはほとんどありません。「アシダカ軍曹」として、SNS上ではファンができてしまうほどの人気ぶりです。しかし、その強烈な外見が受け入れられない人も多くいることでしょう。
ここでは、アシダカグモと共存する場合にはいったいどのようなリスクが生じるのかを、詳しく見ていきましょう。
考えられるリスク
アシダカグモはゴキブリを捕食してくれる益虫であるのは間違いありません。しかし、どうしても気になってくるのが、「見た目のインパクト」です。
ありがたい益虫であるのはわかっているけど、もし夜寝ている間に枕もとをうろつかれたり、顔にでも乗られたりしたら……、と心配になるかたも多いかと思います。実際にそのようなことを経験されたかたもいるそうです。
ビジュアルの壁を越えられればメリットが勝る
グロテスクなビジュアルさえ気にならなければ、アシダカグモは私たちと共存することができる最高の益虫です。ゴキブリの駆除能力の高さと、殺菌作用のある消化液を体に塗りつけるほどの清潔さ、臆病であるため決して私たちには襲いかかることはないでしょう。
そして、家のゴキブリを絶滅させた後は、次なるエサ場を求めてどこかへ去っていきます。ゴキブリがいる期間だけでも、ハンターを雇う気持ちでアシダカグモと共存してみてはいかがでしょうか。意外とかわいらしい一面が見えてくるかもしれません。
アシダカグモとの共存が無理であると判断した場合
アシダカグモはさまざまなメリットを与えてくれるけど、夜枕もとをうろつかれることを想像すると眠れない、と共存を拒むかたも多いかと思います。罪のない益虫を駆除するのも気が引けるものです。アシダカグモを傷つけずに追い払うおすすめの方法があるのでご紹介していきます。
おすすめの対応法
アシダカグモは非常に臆病な性格をしています。ちょっと脅かしてあげるとすぐに逃げてくれるので、長い棒などを利用して、優しく外へ誘導してあげるように追い払いましょう。
アシダカグモの餌となるゴキブリを駆除する
アシダカグモはゴキブリを餌にしています。餌となるものがいなくなれば、巣を作らないアシダカグモは自然とその場を去っていきます。つまり、ゴキブリを全滅させてしまえばよいのです。
とはいっても、生命力が高く、俊敏なゴキブリを全滅させるのは非常に困難なことです。さらに、アシダカグモがなかなかいなくならない家庭には、相当な数のゴキブリが潜んでいる可能性があります。
ゴキブリを徹底的に駆除したいのであれば、業者に依頼してみてはどうでしょうか。ゴキブリのことを熟知した業者は、駆除から対策まで何でもおこなってくれます。悩んでいるかたは、まず相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
アシダカグモはゴキブリを捕食する優秀なハンターで、ほとんど害を与えてこないので、私たち人と共存することが可能です。しかし、強烈なビジュアルから共存を拒むかたも多くいると思います。
アシダカグモがなかなかいなくならない家庭には、相当な数のゴキブリが潜んでいるかもしれません。ゴキブリの駆除が困難だと感じたかたは、業者の手を借りることもひとつの手段です。アシダカ軍曹か業者か、迷うところですが最適な方法が見つかるとよいですね。