ご家庭でのゴキブリ対策を考えるときは、まずご家庭で出やすいゴキブリの種類とそれぞれの生態を知ることから始めるのがよいでしょう。
たとえば寒さに弱く屋外で冬越しできない種類であれば、冬にしっかりと対策をすることが効果的です。このようにそれぞれの種類とその生態を知ることで効果的な対策を練ることができるでしょう。
当記事ではご家庭で出やすいゴキブリの種類とその生態、対策・予防方法を解説します。また業者による駆除費用もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ゴキブリの種類と生態【家庭でよく出る4種類】
ゴキブリは世界中に1000種類以上いるといわれていますが、ここではご家庭で出る4種類をご紹介します。その4種類とは「チャバネゴキブリ、ヤマトゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ」です。
効果的なゴキブリ対策を考えるなら、まずは見かけたゴキブリの種類を特定し、その生態を理解するところから始めましょう。
チャバネゴキブリ:全国的
チャバネゴキブリは日本全土に生息しているゴキブリです。成虫と幼虫の特徴を以下にまとめます。
【成虫】
薄茶色で、胸と背中に2本の縦筋がある
【幼虫】
黒色や黄色などが混じっている
成虫の体長は約1.5~1.8cmで、後述する3種類より少し小さめです。成長速度が約2カ月と非常に速いことから、最も数が多いゴキブリとされています。
寒さに弱いので屋外で冬越しすることはできません。また、行動範囲も狭いので、冬場は冷蔵庫の裏など、暖かい場所に集団で集まっていることが多いといわれています。駆除をするなら、一網打尽にすることができる冬場がおすすめです。
ヤマトゴキブリ:東北~本州中部
ヤマトゴキブリは東北から中部、中国北部にかけて生息しています。成虫と幼虫の特徴を以下にまとめます。
【成虫】
オス:後述するクロゴキブリに似ているが、クロゴキブリに比べてツヤがなくゴツゴツしている
メス:羽が短く、クロゴキブリよりひと回り小さい
【幼虫】
全体的に暗い褐色をしている
成虫の体長は2.5cmほどで、ゴキブリの中では比較的大きな種類です。成長は遅く、成虫になるまでに1~2年かかるといわれています。行動範囲は広く、一か所にかたまっていることはあまりありません。
寒さに強く、屋外でも冬越しできる種類です。冬越しをする前には食事・発育・生殖をすべて停止する越冬休眠に入ります。たいていは、夏から秋にかけて幼虫の状態で休眠に入り、冬越しをしたあと、春から夏にかけて一斉に成長を始めるそうです。そのため、休眠から目覚める冬~春にかけて駆除・対策をするのがよいでしょう。
クロゴキブリ:関東以西
クロゴキブリは関東より西の地域に生息しています。成虫と幼虫の特徴は以下のとおりです。
【成虫】
全体的にツヤツヤしていて、長い羽がある
【幼虫】
全体的に赤い褐色をしている
成虫の体調は約3cmとゴキブリの種類の中ではとくにビックサイズです。成長は遅く、成虫になるまで約1年半~2年かかるとされています。行動範囲は広く、一か所にかたまっていることはあまりありません。
ヤマトゴキブリ同様に、寒さに強く屋外でも冬越しできます。クロゴキブリも越冬休眠をしたあとで春から一斉に活動を始める特徴があります。そのため、駆除・対策は休眠から目覚める冬~春にかけておこなうのがよいでしょう。
ワモンゴキブリ:沖縄・九州南部
ワモンゴキブリは沖縄や九州南部の限られた地域に生息しています。成虫と幼虫の特徴は以下のとおりです。
【成虫】
背中にリング状の模様がある(輪紋:りんもん)
【幼虫】
全体的に暗い褐色をしている
成虫の体長は約3~4cmとクロゴキブリに並ぶ大きさです。成長は遅く、成虫になるまでに1年以上かかることもあるそうです。行動範囲は狭く、ジメジメした場所や湿度の高い場所に集まっていることが多いといわれています。
ワモンゴキブリは熱帯性の種類であるため、本州では冬越しできません。しかし近年は地球温暖化のせいか、都心でも見かけられるようになってきているそうです。
ゴキブリを家から完全に追い出す方法
ゴキブリは姿を見た1匹を退治するだけでは不十分です。なぜならゴキブリは繁殖力がすさまじく、「1匹いれば100匹いる」といわれるほど、多くのゴキブリが潜んでいることがあるからです。
このことから、ゴキブリを完全に駆除するためには、家中のゴキブリを1匹残らず駆除することが鉄則とされています。そのためには「侵入経路を塞ぐ→家中のゴキブリを徹底的に駆除する→ゴキブリが住み着きにくい家にする」の3つのステップを踏みましょう。
以下で詳しくご紹介しますのでぜひお試しください。
ステップ1:ゴキブリの侵入経路を完全に塞ぐ
まずはゴキブリの侵入経路を塞ぎましょう。ゴキブリは外から入ってくる害虫なので、侵入経路を塞ぐことでさらにゴキブリが家に入ってくることを予防できます。以下で、場所ごとの対策方法を確認していきましょう。
【玄関やベランダ】
玄関やベランダにはミント系のアロマオイルをスプレーしておくとよいでしょう。ミント系の香りは人間にはリラックスできる臭いですが、ゴキブリにとっては非常に嫌な臭いだからです。
これだけでは不安という方は、撒きエサタイプの殺虫剤を置いておくのがよいでしょう。さらにベランダに植木を置いている場合は、プランターの底をすき間のないものに変える、肥料の袋はしっかりと封をしておく、などの対策も重要です。
【窓】
窓には網戸をつける、すき間テープを貼るなどして、侵入できるすき間をなくしましょう。すき間テープは網戸と窓の外枠を1周するように貼ると効果的です。あわせてミント系のアロマオイルをスプレーしておくのもよいでしょう。
【シンク下の排水管や排水口まわり】
シンク下の排水口のまわりも、すき間がある場合は、すき間テープやパテを使って埋めておきましょう。さらに、シンク下の排水管がS字でない場合は、S字の排水管に付け替えることをおすすめします。S字型の排水管は、S字のトラップ部分に水を溜めることで、ゴキブリの侵入を防ぐ効果があるからです。
ただし賃貸物件では勝手に付け替えると規則違反になってしまうことがあるので、必ず大家さんや管理会社に相談してからおこなうようにしてください。
【通風口やエアコンのホース】
通風口は専用のフィルターで塞ぎましょう。エアコンのホースは、ホースの先に輪ゴムでストッキングをくくりつける方法がおすすめです。虫の侵入を防ぐホース用キャップなども市販されているので、こちらを活用するのもよいでしょう。
ステップ2:家中のゴキブリを徹底的に駆除する
侵入経路を完全に塞いだら、いよいよ家の中のゴキブリを駆除します。駆除では、細かいすき間などにも届く「燻煙剤」を使うのがよいでしょう。ゴキブリを徹底的に駆除するのであれば、燻煙剤を2回使うことをおすすめします。
1回目で成虫を駆除できたとしても、卵が残っていればゴキブリが再発生します。しかもゴキブリの卵は固い殻に覆われているので、卵の状態では駆除することが難しいのです。
そこで、卵が孵化する2~3週間後を目安に2回目の燻煙剤をたきましょう。そうすることで、孵化した幼虫もしっかりと駆除することができます。
燻煙剤を2回たけば、たいていのゴキブリは駆除できるといわれています。そうすると、次は残ったゴキブリの駆除と、新たなゴキブリの侵入を食い止める必要があるでしょう。そこで役立つのが毒エサです。
毒エサを食べたゴキブリは、食べてから5時間ほどで死ぬといわれています。さらに、毒エサを食べたゴキブリは巣に戻ってから死ぬことも多いとされているため、巣に戻ったゴキブリを食べたほかのゴキブリも一網打尽にできるというメリットがあるのです。
ステップ3:ゴキブリが住み着きにくい家にする
ゴキブリを駆除したあとは、ゴキブリを再発生させないために、家の環境を整えましょう。まずはゴキブリのエサとなる食べこぼしやホコリなどを放置しないように、こまめに掃除することを心がけてください。
さらに、食材の袋はしっかりと封をして冷蔵庫や棚に入れておきましょう。不要な段ボールもゴキブリのすみかになることがあるため、できるだけ早く処分するようにしてください。
室内に植木を置かないようにすることも有効でしょう。しかしどうしても置きたいという場合は、ゴキブリが嫌うミント系の植物がおすすめです。ただしミント系の植物はコバエ発生の原因になるので、手入れを怠らないようにしましょう。
1回で徹底駆除するなら業者依頼の選択肢もあり!
ここまで自分の力でゴキブリを徹底駆除する方法をお伝えしました。しかし、これをやるのはお金と手間と忍耐が必要です。それならば、業者に依頼して1回で徹底的に駆除してもらうのも選択肢のひとつではないでしょうか。
業者は私たちでは扱えない業務用薬剤を使うことができるので、駆除率が高いのもメリットのひとつです。次章では費用相場をご紹介しますので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
業者によるゴキブリ駆除の費用相場
業者によるゴキブリ駆除の費用はワンルームで約1万円~3万円、2LDKで約3~5万円、3LDKで約4~6万円が相場です。ゴキブリ駆除は駆除面積が広くなるほど使用する薬剤の量も多くなるので、費用が高くなるのです。そのため、飲食店など広範囲にわたる駆除が必要な場合は約5~10万円と高額になります。
飲食店はエサとなる食材が多いことや、複数台の冷蔵庫などゴキブリが好む条件が揃っていることから、駆除後も再発しやすい傾向があります。そのため、飲食店では、定期的に駆除をおこない被害を予防し続ける「年間契約」という形が一般的です。
以下では費用の内訳と費用を抑えるポイントを解説していきます。
ゴキブリ駆除費用の内訳
ゴキブリ駆除費用の内訳は以下のようになっています。
- ・基本料金
- ・薬剤の使用料金
- ・侵入を防ぐための封鎖工事の料金
- ・そのほか諸経費(出張費用など)
とくに封鎖工事は、ゴキブリを再発生させないために重要な措置です。そのため、この封鎖工事がしっかりしている業者ほど、最終的な費用は高くなるでしょう。
費用を安く抑えるなら相見積りをしよう!
費用を安く抑えるなら、相見積りをすることをおすすめします。相見積りでさまざまな業者の費用を比較することで、自分にとって最適な業者を見つけることができるでしょう。相見積りのさいは、弊社がご紹介する業者もぜひご検討ください。
まとめ
ご家庭でよく出るゴキブリの種類は、「チャバネゴキブリ、ヤマトゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ」の4種類です。ゴキブリ対策をするときは、まずこれらの生態を知ることから始めるのがよいでしょう。
ゴキブリを完全に家から追い出すにはみっつのステップがあります。まず侵入経路を完全に塞ぎましょう。そのうえで家の中のゴキブリを徹底的に駆除します。そしてゴキブリを寄せ付けない環境に整えましょう。しかし自分ですべておこなうのは、お金も手間も忍耐も必要なので、業者依頼も選択肢のひとつです。
弊社ではさまざまなゴキブリ駆除業者をご紹介していますので、お困りのさいはぜひご相談ください。