家の中に突然出没し人々を驚かせるゴキブリは、その奇妙な動きから多くの人に恐怖を感じさせます。そのうえ、生態がよく知られていないので、本当なのかわからない、恐れ交じりの噂も飛び交っています。「一匹発見したら数十匹、数百匹は住み着いている」「エサがない環境でも死なない」このようなことを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょか?
あまり近づきたくないとはいえ、生態も何もわからない生き物を家の中に放置しておくのはとても怖いですよね。家からゴキブリを追い出そうにも、生態を知らないと効果のある駆除をするのは難しいものです。まずはゴキブリの身体能力や繁殖力など、噂されるゴキブリの生態を知ることから始めましょう。
目次
2億5千万年も繁殖し続けてきたゴキブリの生態
2億5千万年以上も前から現在まで、絶滅することなく進化してきたという事実からもうかがえる通り、ゴキブリは非常に強力な繁殖力と生命力をもっています。
ゴキブリの繁殖力の高さは、前々から噂されています。メスのゴキブリ一匹が一度に生む卵鞘は20~40個ですが、一匹のゴキブリは1年前後の寿命の中で5回も産卵するため、一匹のメスから数百匹のゴキブリが繁殖する計算になります。
繁殖力だけでなく、一匹一匹の生命力にも目を見張るものがあります。体は固いので簡単にはつぶれることがありません。好き嫌いなく何でも食べるので食料に困らず、体に脂肪を蓄えているのでエサが全くない場所でも何日も生きながらえることができます。
恐竜が生きていた時代から繁殖を続けてきたゴキブリは、今や地球上に4000種類以上いるといわれています。日本国内でも数十種類ものゴキブリが住んでいます。これらの種類はみな、2億年以上前に生まれたゴキブリが繁殖することによって生まれたのです。
ゴキブリの身体能力は絶体絶命の時に覚醒する
普段は地面や壁をはい回るゴキブリですが、命の危機を感じ取ったときには覚醒するといわれています。その覚醒としてよく知られるのが、「飛ぶ」動作です。ゴキブリはどのようにして飛ぶのでしょうか?
ゴキブリには「尾角」と呼ばれる触覚があります。この触覚は、天敵であるゲジゲジや、見つかると殺虫剤を撒かれる危険性のある人間などの敵に対して働く触覚です。この尾角はお尻の部分に位置し、ゴキブリ自身から一定の範囲に作用します。そして、敵を察知すると素早く走り去る、力強く羽を動かして飛ぶなどの方法で敵から逃げます。
普段飛ぶことのないゴキブリが駆除中にいきなり飛んだら、誰しも驚くことでしょう。しかし、ゴキブリは体長が大きく重いため、長い時間飛行することができません。また、鳥や飛行機のように上空に向かって進んでいくこともできず、高い場所から低い場所へ移るように飛ぶだけです。そのため、万が一ゴキブリが飛んで襲いかかってきたときには、ゴキブリがいる場所より高い位置に移動すると安全です。
頭が取れても死なない!しかも取れた頭を元に戻せる!?
「ゴキブリには脳が2つある」という噂を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。ゴキブリは生命に欠かせない頭が体から離れてしまっても生き伸びるので、頭とは別の場所に脳がもうひとつあるのではないかと考えられているのです。
実際のところ、頭と体が別々になっても生きることができる理由は、昆虫特有の神経のしくみにあります。ゴキブリやカマキリなどの昆虫は、神経の中枢が頭とお腹に分かれて位置している構造になっており、頭と体が切れてしまっても死ぬことなく数週間生き続けることができるのです。また、引き離れた頭をくっつけることができるともいわれています。
あの独特な逃げ方のしくみは?
ゴキブリは俊足です。6本の足で、時速150キロメートル以上、早いときには時速300キロメートルものスピードを出すともいわれています。ゴキブリの足の関節は特殊な造りになっているので、左右それぞれの3本の足すべてが地面から離れることがありません。このような造りによって、安定し、かつ素早い動きができるのです。
人々がゴキブリに対して「気持ち悪い」という感情を抱く理由のひとつに、動きが俊敏で特殊だ、ということが挙げられます。予測不能な動きが怖い、気持ち悪いという感情につながっているのです。
ゴキブリは、まっすぐ走ることもあれば、横向きに進んでいくこともあります。さまざまな走り方があればその分逃げやすいということを知っているので、その場その場で違う動きを見せるのです。
しかし、足の速いゴキブリにも弱点があります。それは、後ろに走ることができないということです。後退するときには体の向きを変える必要があります。
ゴキブリの身体能力が人間を救うかもしれない
ゴキブリが人間を病気から救う手掛かりになるかもしれない、といわれています。ゴキブリを科学的に研究し解剖したところ、ゴキブリの脳内で9種類の抗菌成分が見つかったというのです。また、昆虫は哺乳類とは違う抗菌機能をもっていることも知られています。
抗生物質を有効利用したり、抗菌のメカニズムを上手に取り入れたりできれば、人間を襲う病気への抗体を作ることができるのではないか、と研究が進められています。
ゴキブリはその見た目や生態から人々から忌み嫌われていますが、近い将来人間みんなにとっての救世主となるかもしれないのです。
まとめ
2億5千年もの間進化し続けてきたゴキブリは驚くべき身体能力を待ち、その驚異的な生命力は人間を救うカギになると言われています。しかし、やはりゴキブリは圧倒的に害虫としての影響力が大きく、一匹のメスは生涯で何百もの卵を産み繁殖し続けています。さらに、頭が取れても活動可能、エサがなくても生きのびるという異常なまでの丈夫さから、自然に衰退していくことはまずないこともお分かりいただけたと思います。
もしあなたが自宅に出るゴキブリに敗戦し続けているとしたら、それはある意味仕方のないことなのです。ゴキブリの怖さを知り、どうしても出て行って欲しいと思ったら、専門家の知識やテクニックを調べることが大切です。その内容を知って「ここまで自分ではできない……」と感じる方も多いと思いますが、そんな時は一度、駆除業者の手を借りてみるとよいでしょう。ゴキブリにとって最強の敵である駆除のプロがゴキブリとの勝負をキッチリつけてくれるはずです。