ゴキブリは、1匹見かけたら100匹いるといわれるほど繁殖力の強い昆虫です。油断していると、家じゅうにゴキブリをはびこらせるような事態になってしまうかもしれません。
本記事では、ゴキブリの効果的な駆除と対策のために必要な知識をご紹介します。ゴキブリの繁殖力を踏まえ、どのような方法での駆除が効果的なのか、どのような対策でゴキブリの数を減らせるかについて、わかりやすくご説明いたします。
目次
効率的に駆除・対策するために!ゴキブリ繁殖のサイクルを理解しよう
ゴキブリを効率的に駆除するには、ゴキブリの繁殖のサイクルを理解することが必要不可欠です。
日本全国に生息しているワモンゴキブリは、たとえオスがいなくても、メスが3匹以上いると交尾をせずに卵鞘(らんしょう)と呼ばれる卵の塊を産むことができるという研究結果もあります。ゴキブリはオスとメスのペアが成り立たなくても、単為生殖で子孫を増やすことができるのです。
ゴキブリは集団生活を送るため、オスが1匹もおらず、かつメスが3匹より少ないような状況はかえって珍しいかもしれません。つまりは、人間がきちんと対策しない限り、ゴキブリはほぼ繁殖し放題という環境も十分起こりうるのです。
ゴキブリは繁殖力がとても強いうえ、どれほど注意しても家への侵入はなかなか避けられない厄介者。そのため、「いかにゴキブリを家の中に侵入させないか=予防」ことと「家の中のゴキブリをいかに繁殖させないか=駆除」の二本柱がとても重要になるのです。
ゴキブリ駆除法①:殺虫剤を使う
ゴキブリの駆除方法として一般的なのは、やはり殺虫剤を使用した駆除になります。ゴキブリの殺虫剤にもさまざまなタイプのものが開発され、販売されています。
●毒餌型
毒餌が入ったケースを設置して、それを食べたゴキブリを駆除するタイプです。食べたゴキブリだけでなく、その個体の中にある卵も駆除できる効果が期待できるものもあり、徹底的な駆除が可能といわれます。
また、食べたゴキブリが巣で死ぬと、その死体を仲間のゴキブリが食べます。そのように毒の効果を周囲に広げ、巣全体を駆除できるともいわれます。
●スプレー型
の2種類に大きく分かれます。
薬品系は、殺虫剤に多く使われるピレスロイドやフィプロニル、ゴキブリの動きを止める効果のあるイミプロトリンなど、素早い動きと執念の生命力を持つゴキブリに効果があるような工夫がされたものが多くなっています。
凍殺スプレーは科学殺虫成分を全く使用していないため、薬剤の使用に抵抗がある方におすすめです。小さなお子さんがいたり、薬品アレルギーがあったりするお家では、このような化学殺虫成分のないものを選ぶとよいでしょう。
また、ゴキブリを直接狙い撃ちするタイプ以外にも、ゴキブリの通り道にワンプッシュで効果を発揮するものなどもあります。
ゴキブリ駆除法②:見失ったゴキブリを退治する
ゴキブリの姿は見かけたのにすぐ見失ってしまった!家の中に存在しているとわかるとかえって不気味でなんとかしたい!そんな時には、忌避剤や煙でゴキブリ退治をしてみましょう。
●くん煙剤
殺虫成分のある煙を部屋の中に焚きしめます。
水を使うだけで使用可能なものもあるので、火気を使う必要がなく安心です。ゴキブリ以外にも、ダニやノミなどのほかの虫にも効くタイプもあるので、さまざまな種類の害虫に困っている場合は、お悩みの原因を一網打尽にできるのもメリットです。さわやかな香りがついているものもあります。
デメリットとしては、ミクロの殺虫成分を使っているため、使用法次第では人体への影響は否めないという点です。使用後に刺激感が残る場合もあります。
●くん蒸剤
くん煙剤とことなるのは、煙が出ないという点です。煙の代わりに蒸気を使います。足で踏むだけで蒸気が部屋に広がり、水も不要です。こちらも、ゴキブリ以外にも効果を発揮するものがあるので便利です。くん煙剤よりも刺激感が少ないものが多いようです。
対策①:隙間という隙間を徹底的に埋める
ゴキブリは、少しでも隙間があれば室内に入り込んできます。小さな隙間から忍び込んでくることもあれば、大きな隙間から堂々と乗り込んでくることもあります。換気のために窓を開け話しているときや、人が家に入るのと同じタイミングで玄関から入ってくることさえあるといいます。
対策としては、隙間という隙間を徹底的に埋めることが大切です。
窓に網戸がなければ設置し、網戸と窓との間に隙間があるようであればテープでふさぎます。1.5㎜の隙間があれば難なく侵入してくるといわれるので、窓辺だけでなく、玄関や壁際などもしっかりと確認し、穴をふさぎます。
また、ゴキブリはエアコンのドレンホースに入り込んで、室内に侵入してくる場合もあります。ドレンホース用の防虫キャップを付けるなどをし、エアコンや換気扇など空調周りの隙間も埋めるように心がけるといいでしょう。
対策②:部屋と庭をこまめに掃除する
ゴキブリの生命力を支えている修正として、「雑食性」があります。なんでも餌にすることができるということは、なんでも生きるエネルギーに変えられるということです。
生ごみなどの明らかな食料減だけでなく、ホコリ、人毛、皮膚片などもゴキブリにとってはごちそうです。家の中をしっかりときれいにし、ゴキブリのエサとなるようなものを残しておかないようにすることで、ゴキブリが侵入してくる目的を作らないようにします。
このとき、盲点なのが庭です。家の中をきれいにしていても、庭にゴキブリがはびこっていては、侵入されるのも当然というものです。庭の中で雑多になっている場所はきれいに整理整頓し、ゴキブリがはびこる隙を可能な限り与えないようにします。
ちなみに、ゴキブリの好物には、ジャガイモ、タマネギ、砂糖、油、石鹸などがあげられます。好物がゴキブリを呼び寄せることもあるといいますから、キッチンなどはとくに意識して管理を徹底することが大切です。
対策③:冬は家具の裏と段ボールの管理を徹底
ゴキブリは冬場にはあまり出てこなくなりますが、暖かいところにじっと身を隠しているだけなので、対策を怠るのは危険です。
冬場には、以下の対策が効果的です。
家具の裏など湿気やホコリが溜まりやすいところはこまめな掃除を心がけ、殺虫剤を設置しておくことが大切です。水分を含みやすい段ボールはエサになりやすいです。段ボールは温かい資材でもあるので、卵を産み付けられるなどして巣になることもあります。ためておくことなく、すぐに処分しましょう。
まとめ
家の中のゴキブリ被害を改善するには、駆除と予防の2つをおこなうことが大切です。ゴキブリは見た目の嫌悪感もさることながら生命力も繁殖力もすさまじく、人間にとって宿敵のような存在。そのため、しっかりとした対策をおこなわなければ、なかなか効果を発揮しないのも事実としてあります。
お部屋の状況やお客様一人一人のご希望に合った殺虫剤・忌避剤などを使用し、部屋だけでなく庭やベランダの掃除も徹底して、ゴキブリ対策をしてみましょう。