家のなかで恐怖を覚えるにっくきゴキブリ。できることなら部屋などで見たくないのですが、一度見かけるとそこから何度も何度も出てきます。この何度も現れる現象には理由があったのです。それはゴキブリから出る「フェロモン」の仕業なのです。
今回はゴキブリのフェロモンについて、どんな種類があり、どのような効果があるかご紹介します。またそんなフェロモンを防ぐ方法や、ゴキブリ駆除の方法まで徹底的にお伝えします。
今回のコラムで、ゴキブリが集まってくる原因がわかるかもしれません。ゴキブリの侵入や繁殖を防ぐためにも、ぜひ最後までご覧ください!
ゴキブリは警告フェロモンで撃退できる?
ゴキブリは、危険な思いをしたら周囲に知らせる「警告フェロモン」というのを発します。この警告フェロモンというのは、難しくいえば忌避効果があります。簡単にいえば、「ここは危険だから来ないほうがいいよー」ってサインを送るのです。
果たして警告フェロモンはゴキブリに効果があるのか!?
「この警告フェロモンを利用して、寄せ付けない方法があるのでは!?」と期待されたかたにお詫びを申し上げなければなりません。現在、この警告フェロモンを利用したゴキブリ撃退方法は発見されてないようです。
確かに警告フェロモンというのはあるのですが、影響力が弱いそうでほかのゴキブリも真に受けにくいようです。それよりも「ここは住み心地がいいよー」というサインの「集合フェロモン」のほうが協力なのです。
ゴキブリはフェロモンより「環境」に左右される
先ほど軽く触れた集合フェロモン。このフェロモンが代表するように、ゴキブリには集まる習性があります。フェロモンだけでなく、家の環境を察知して集まる部分もあります。ここではゴキブリが集まる要因について説明させていただきます。
水やエサが豊富にある場所
ゴキブリは嗅覚がとても優れている昆虫です。遠くにあるエサや水の臭いを頼りに、エサがある場所を探しだすのです。そして残念なことに、ゴキブリは臭いを発する場所を記憶してしまいます。そのため、一度現れたところに何度も現れることがあるのです。
ゴキブリが持ち合わせる鋭い嗅覚と、場所を覚える知能でエサを探し、インプットすることができるのです。
性フェロモンによる行動
メスゴキブリはいわゆるセクシービームを出します。性フェロモンという求愛行動のときに出すフェロモンです。これを嗅いだオスゴキブリはもうメロメロだそうです。性フェロモンの場所に誘導されてしまいます。ゴキブリのオスは単純なものなのですね。
ちなみにこの性フェロモンはメスゴキブリにも効果があり、集まってきます。また性フェロモンは同じ種類のゴキブリにのみ効果があります。
寒い冬を乗りきるために侵入
ゴキブリは寒いのが苦手です。-5℃~-10℃以下になると凍えて死んでしまいます。また、7℃以下のところでは成長しなくなります。それ以外には乾燥した場所も苦手です。ゴキブリは高温多湿の場所を好みます。
このことから、冬の季節は要注意といえます。家のなかは寒い冬でも暖房機器が効いているので、ゴキブリにとっては楽園です。どこかの隙間をくぐってでも侵入してきます。そしてその後、住みやすい場所と判断したらほかのゴキブリを集める集合ホルモンを出します。
このようなゴキブリの習性で、「ゴキブリを1匹みたら100匹いると思え」という形が生まれてくるのです。
ゴキブリの集合フェロモンを撃退する方法
ゴキブリは家に侵入してから繁殖するのではなく、集合フェロモンで仲間を呼びます。つまりこの集合フェロモンが、ゴキブリの繁殖を大きく左右するのです。ではそんな集合フェロモンは、どのようにして発生するのでしょうか。
集合フェロモンのカギはゴキブリの糞
集合フェロモンは強力な臭い。どこから発せられるというとゴキブリの糞(ふん)からです。人間では嫌がられる臭いがゴキブリにとってはありがたい臭い。ということになるのでしょうか。
とにかくゴキブリの糞が密集している場所は、家にいるゴキブリが必死に「こっち住みやすいところだよ」と、教えているのです。ゴキブリの繁殖をとめるには、まずゴキブリの糞対策が必要となります。
こんなところに!ゴキブリの糞の場所
ゴキブリが糞をするところは主に餌が近く、暗い場所です。キッチンでの主な場所は下記のような場所です。
・食品を保管している棚などの引き出し
・食器棚のなか
また、外からの侵入口になりやすい部分も、集合フェロモンを外に伝えるために出します。以下の部分も、ゴキブリの糞がないかチェックしてください。
・エアコン
・下水道の周辺
・換気扇
ゴキブリが巣をつくりやすい場所も要注意です。巣をつくりやすい場所は、以下のところです。巣になる場所には卵も産みますので、とくに注意が必要です。
・洗濯機の周辺
・タンスなどの裏の隙間
・植木鉢まわりなど水の豊富なところ
ゴキブリ退治法と忘れてはならない注意点
ゴキブリが家に侵入してきて、糞まで落ちている。と確認したら、形勢を逆転するためにもゴキブリ退治に立ち上がらねばなりません。あのゴキブリを一掃できたらどれだけ嬉しいことでしょうか。ここからはそんな、ゴキブリの退治方法をご紹介していきます。
おすすめゴキブリ撃退アイテム4つ
ゴキブリ撃退アイテムは主なところで4種類あります。どれもご存知の商品かもしれませんが今一度改めて、それぞれの特性を確認していきましょう。
●燻煙剤(くんえんざい)
燻煙剤はゴキブリにとって苦手な成分の入った煙を家に焚き、ゴキブリを家から追い出す方法です。普段手の届かないところまで煙が行き届くのが特徴です。デメリットとしてはあくまでも家から出すことが目的なこと。最後の駆除まではできませんので再侵入を防ぐか、ほかの駆除グッズと併用するとよいでしょう。
●粘着シート
「エサの臭いにつられたゴキブリが、粘着シートにつかまり抜け出せなくなる」という罠です。粘着シートに捕まったゴキブリが集合フェロモンをだし、次々に捕まるときがあります。この集合フェロモンが、メリットでありデメリットでもあります。粘着シートを放置しておくと、逆にゴキブリが増えてしまう場合もあります。
●毒入りのエサ
ゴキブリにとって毒となる成分の入ったエサを仕掛け、退治する方法です。毒エサを食べたゴキブリが死に至るという罠です。毒エサを食べたゴキブリはもちろん、巣で毒エサを与えてもらったゴキブリも退治できます。また、卵を持ったメスにも効果があります。
●殺虫スプレー
ゴキブリに向けて、殺虫スプレーを直接吹き付けて駆除する方法です。品種改良を重ねて、強力な殺虫スプレーができていますが、毒に対して耐性のできたゴキブリも、発生しています。
死骸はすぐに捨てること!
ゴキブリの死骸は、放置しておくと集合フェロモンが出続けている状態になっています。そのため外から新たなゴキブリが侵入する可能性が出てきます。粘着シートや毒エサ、殺虫スプレーで駆除したゴキブリの死骸は、すみやかに処分していきましょう。
自力でのゴキブリ退治に限界を感じたら、早めにプロを頼ろう
ゴキブリはとても素人ではわかりにくいような場所に根付き、成長し、繁殖していきます。それだけではなくフェロモンを出し、外から新たにゴキブリを集めてきます。つねに増殖し続けるゴキブリを、自力で完全駆除となるととても大変です。
自分での駆除が難しい場合は、ゴキブリ駆除の業者に依頼する方法もあります。業者の人はゴキブリ駆除のプロです。有効な方法で家のなかのゴキブリを撃退してくれるでしょう。また、再侵入させないためのコツなども教えてくれます。
費用はかかってしまいますが、費用をかけたぶん納得の結果となることでしょう。
まとめ
ゴキブリのフェロモンでも警告フェロモンや性フェロモン、集合フェロモンといろいろなフェロモンがありました。その中でも仲間を逃がす警告フェロモンだけ弱く、性フェロモンと集合フェロモンのほうが強力です。
ゴキブリはすぐに集まる習性があります。家で少しでも見たら大量にゴキブリが住み着いている可能性があるのです。そういった場合は駆除グッズを駆使してみてください。それでも無理でしたら、プロの業者を呼んで駆除してもらいましょう。