白いゴキブリの存在をご存知ですか?実際に見たことがある方はなかなかいないかもしれません。このページをご覧になっているということは、もしかして白いゴキブリを発見されたラッキーな方なのでしょうか。
白い色は清潔感やクリーンなイメージを与え、神秘的なイメージを持つ人も多いと思います。白い鳩は平和のシンボル、白い蛇は神の使いとされ、ホワイトタイガーなどの希少な白い生命体も存在します。
では実際に白いゴキブリをご自宅で発見された場合、どのように対処したらいいのでしょう。殺してしまうと不吉なことが起こるのではないか…、貴重な品種だから保護した方がいいのではないか…と考える方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、白いゴキブリの正体、発見した時の対処法などを考えていきたいと思います。
めずらしい……白いゴキブリの正体
先に述べた通り、実際に白いゴキブリを見たという方は少ないと思います。見たことがある方はとてもラッキーかもしれません。
その正体は一体何者なのでしょう。幸福を運んできてくれる存在だったら、ゴキブリのイメージアップに一役買える存在になるのでは?ゴキブリ界の救世主となるのでしょうか。
幸運の印、願いが叶うなどの噂もあるが……
白いゴキブリはなかなかお目にかかれないうえに、純白の…となると中には神秘的に感じる方もいるようです。「殺さず逃がしてあげると願いが叶う」なんていう都市伝説もあり、実際に願いが叶った人もいるとか。皆さんは信じますか?
白いゴキブリは種類としては存在しない
ゴキブリは世界に約4000種ほど存在しているといわれています。総数は1兆4000億匹を超えるといわれ、その存在は皆様もよくご存じの通りです。
日本にも全種類のうち約1.5%ほどが生息するといわれており、一般的に多く生息するチャバネゴキブリやクロゴキブリ、ヤマトゴキブリなどは茶色や黒色です。しかし、白いゴキブリという種類の存在は認められていません。白いゴキブリはいったい何者なのでしょうか。
白いゴキブリは単に脱皮ホヤホヤなだけ
残念ながら、白いゴキブリは特別な存在ではありません。ゴキブリは脱皮を繰り返しながら成長していきます。脱皮をした直後のゴキブリはまだ外皮が柔らかく、色も薄い状態になっています。
白いゴキブリの正体はこの脱皮直後のゴキブリであり、時間が経つにつれて外皮はどんどん固まっていきます。白くて神秘的に見えるゴキブリでも、翌日には通常の茶色や黒のゴキブリに戻ってしまうのです。
なぜ白いゴキブリはレアで神秘的とされるのか
ゴキブリの生息数を考えると脱皮直後の白いゴキブリはレアではないように思います。ではなぜお目にかかることが少ないのでしょうか。
そもそもゴキブリは夜行性で、普段日中にみかけることはあまりありません。また、脱皮しても早くて数時間、一日でほぼ元の姿に戻ってしまうので、私たちが見つけることは難しいのです。
しかもなんでも食べてしまうゴキブリ、脱皮した皮も自分で食べてしまうため、ゴキブリの抜け殻を発見することがなく、脱皮することすらあまり知られていないのも一因かもしれません。
白いゴキブリが脱皮して成虫になるまで
白いゴキブリは脱皮を繰り返す成長途中のゴキブリです。なかなかゴキブリの成長過程をイメージすることも少ないかもしれませんが、彼らはどのように成虫まで成長していくものなのでしょうか。
脱皮直後はフニャフニャ
普通のゴキブリはかっちりしたボディを想像しますが、脱皮直後のゴキブリは白くフニャフニャで柔らかくてプニっと潰れてしまいそうです。真っ白なボディに黒いつぶらな瞳、可愛いと思う方もいるかもしれません。
脱皮直後は物陰に隠れてなかなか出てくることはありません。時間が経つにつれ少しづつ色が濃くなり、体も硬くなってきて、翌日には普通のゴキブリに戻ってしまいます。
成虫になるまで6回~10回脱皮する
ゴキブリは幼虫から成虫へと成長していくなかで脱皮を繰り返します。日本に多く生息するチャバネゴキブリは約6回、クロゴキブリは10回程度脱皮を繰り返しながら立派な成虫へと成長していきます。
脱皮をした直後にはゴキブリの大きさは変わっていません。脱皮したゴキブリは脱皮直後の柔らかいうちに体を膨らませ、膨張させます。こうして体を大きくしてどんどん成長していくのです。
気づけばゴキブリが白黒入り混じって大繁殖!?
巷では「白いゴキブリを逃がしてあげると幸福になる」なんて都市伝説もあるようですが、白いゴキブリの正体はただの成長途中のゴキブリです。逃がしておくと、のちのち大変なことになってしまうかもしれません。
黒い成虫となって激増する前に対策を
白いゴキブリは成虫になるための進化の過程であり、脱皮を繰り返すごとにより強く繁殖力の高い生命体へと進化していくというわけです。
白いゴキブリはめったにお目にかかれるものではなく、見つけた方はラッキーかもしれません。しかし、残念ながら成長途中のゴキブリが発生しているということは、お家のどこかでゴキブリが繁殖している可能性が高いということです。
白いゴキブリも放っておけばやがては成虫になり、繁殖をしてさらにその数を増やすことでしょう。では、そのような状況を避けるためには、いったいどのような対策をとればいいのでしょうか。
白いゴキブリに遭遇した時の対処法
白いゴキブリは一日経つと普通のゴキブリになります。めずらしいからと逃がしてしまっては、どんどん繁殖してしまいます。普通のゴキブリ同様に駆除しましょう。
1.叩き潰す
一番シンプルで確実な方法です。動きに自信があり、ゴキブリに動じない方にオススメです。ゴキブリは前にしか進めないため、持ちやすく小回りの利くスリッパや丸めた新聞紙で前方から一気に叩き潰しましょう。
2.窒息させる。
液体洗剤などをかけてゴキブリを窒息させる方法です。赤ちゃんやペットがいるので殺虫剤を使いたくない、でも叩くのが怖いという方にオススメです。ゴキブリの腹部にある気門を塞ぐようにかければ窒息して死んでしまいます。
3.掃除機で吸い取る。
掃除しているときなどに見かけると、パニックになってそのまま吸ってしまうこともあると思います。掃除機で吸い取る際は、掃除機の中で気絶したゴキブリが息を吹き返す可能性があるので、殺虫剤をかけるなどして確実に動きをとめ、密封して中の紙パックやゴミと共に処理しましょう。
4.殺虫剤を使う。
殺虫剤がご自宅にある場合は、この方法がゴキブリに近づかずに退治できる一般的な方法ではないでしょうか。薬剤を使用することに抵抗がある方も多いかと思いますが、今は天然成分でできた殺虫剤なども販売されています。ゴキブリが苦手で遭遇する可能性が高い方は自分にあった殺虫剤を用意しておくことがオススメです。
成長したチャバネゴキブリなどは卵を20日ほどお尻の後ろにもっている場合があるので、卵まで確実に処理するために、死骸は密封した袋に入れて捨てましょう。
叩き潰したり窒息させたゴキブリはティッシュなどに包んでトイレに流してしまえば、持っている卵ごと処理することができ、効率よく駆除ができます。
見失ってしまった場合
見失ってしまっても、その近くに潜んでいる可能性があるので、近辺の隙間などに殺虫剤をまきましょう。大きくて黒いクロゴキブリは外に巣を作ることが多いので、追い出す効果があります。
密閉できる空間で見かけて見失った場合はまだそこに潜んでいる可能性があるため、密閉して殺虫剤をまき、弱って出てくるのを待ちましょう。ゴキブリは暗くて暖かい場所を好むため、冷蔵庫や電子レンジなどの家電の裏や、段ボールや新聞の隙間なども確認してみると潜んでいるかもしれません。
ゴキブリは生ごみや食べこぼし、人間の髪の毛やほこりなどが大好物です。また水分があるところを好むので、台所やお風呂場でもよく発見されます。
ゴキブリを増やさない対策としては、家を清潔に保ち、ゴキブリが寄り付かない家にすることが大切です。また、植木や段ボールなどゴキブリが潜みやすいものを置かないように心がけましょう。
まとめ
白ゴキブリはただの成長途中のゴキブリといっても、中々見かけないものです。見つけたあなたはやはりラッキーといえるかもしれません。そのラッキーを叩き潰すとなると勇気がいりそうですが、その時はクロゴキブリ、チャバネゴキブリの成虫の姿を思い出してください。
1匹、2匹の処理ならご自身で対処できるかと思いますが、一気に何匹も見かけるようでしたらさらに処理しきれない数の白ゴキブリ、ゴキブリがひしめいているかもしれません。ゴキブリの繁殖力は驚異的です。その場合は早めに専門の業者に相談されるといいかもしれません。